外国人採用

「外国人だから」ではなく「その人自身の魅力や価値」が大事

今回は外国人人材を初めて採用された株式会社Brain Trust from The Sunの大川 桂一社長と、入社されたN様にお話をお伺いいたしました。

N様を採用されたのが約1ヶ月前ということで、一緒にお仕事をされてまだ日も浅いのですが、大川社長とN様の会話のキャッチボールが長年お仕事をされているのではないかと思えるほどスムーズでした。

日本で就職し活躍していくというN様の考え方は、これから日本で活躍したいと考えている外国人の皆様にとって、とても役に立つと思います。
また、外国籍社員が活躍するために企業側がしなければいけないこととして大川社長からいただいたお話も大変参考になりました。
これから外国人採用をしていきたいと検討されている企業様にもぜひ読んでいただきたい内容です。

【株式会社Brain Trust from The Sun様について】

株式会社Brain Trust from The Sunは
SDGs実践観光事業開発コンソーシアムで新商流に挑戦。
不動産証券化による持続可能な開発を目指す。

 

会社名   :株式会社Brain Trust from The Sun
本社所在地 :東京本店
〒104-0031 東京都中央区京橋1-6-13 金葉ビルディング6/7F
代表者   :代表取締役 大川 桂一
URL    :https://www.braintrust-from-the-sun.co.jp/

株式会社Brain Trust from The Sun_大川社長

 

 

ーー御社の事業について簡単にご説明いただけますでしょうか。

 弊社は東京都中央区京橋でインキュベーションオフィスと言って起業や創業をしたい人を支援するための施設を運営しています。(弊社、株式会社One Terrace代表の石中もお世話になりました。)
 また、東京と地方の連携深化を目指して事業をしています。鎌倉で宿泊施設を6軒運営していて、Nさんにはこの事業に携わってもらっています。高齢化社会が進む日本では空き家の増加が問題となっていています。パンデミック以前はその空き家を付加価値のある簡易宿所にしてインバウンド事業を行っていました。現在は国内の二拠点生活やワーケーションの需要を取り込んでいます。茨城県ではソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)を行なっており、それに付随して太陽光のメンテナンス事業も行なっています。

 

ーーN様を採用した時のきっかけや経緯を教えてください。

大川社長:
 弊社で外国籍の正社員を採用したのはNさんが初めてなんです。特別、外国籍の人が欲しくて募集をしたのではなく、いつものように募集をかけたところ、Nさんが応募してきてくれました。弊社には以前から在籍しているTさんご夫妻がいるのですが、彼らは英語もフランス語も話せるので外国人のお客様対応はすごく慣れているんです。
 反対に私自身は英語が話せないので、外国語で話されてもびびってしまう人なんです。それなのに何故Nさんを弊社で採用できたかと言うと、

①彼がネイティブレベルの日本語が話せて、外国語が話せない私とも問題なく意思疎通が図れたこと。
②前職で宿泊業の経験があって接客もできること。

弊社にとってメリットしかないなと思いました。

 また、取引先で技能実習生を雇っている企業様がいくつかあるのですが、やはり個人のレベルはバラバラで、仕事ができる人もいればそうでない方もいます。そのような方々を見ていたので、Nさんの面接が進んでいく中でこの人なら!と思い採用しました。

 実は、Nさんを採用するときに面接を5回行ったんです。文化の違い、家族、職歴、知識、経験などを履歴書と彼の口から直接聞きました。それだけの面接に耐えたNさんですから、当社事業にかける情熱も推し測れます。企業は人の集まりなので人で決まります。それだけ採用における選考は重要視しているんです。Nさんは40歳のおじさんでもあるので、大抵の苦労は経験してきていると思いますし、何よりもキャリアがあるので彼はどこでも通用できる人だと思います。

 

ーーN様にとって5回も面接を行うというのは初めてかと思うのですが、実際にどのように感じましたか?

N様:
 そうですね、私自身も積極的に質問をするタイプで、後輩などにも彼氏・彼女はいるの?などいろんなことをよく聞いてしまうんです。でもそれがお互いを理解できるきっかけになると思っています。なので、5回の面接の中で家族のことであったり、文化の違いや今までの経験など大川社長に聞かれましたが、全く抵抗はありませんでした。

N様お子様と夕暮れでのツーショット

ーー採用されてみて、日本人と比べてよかったことはありますか?

大川社長:
  頭が良いのかなど個人の能力で比べて採用することはあるんですが、「外国人だから」と比べることはないですね。私は団塊世代の方は外国人に対して固定概念があるなと感じていたのですが、Nさんと関わる中で韓国人の方に関する考え方が変わったと言っていました。
 弊社に勤務する74歳の方は鎌倉を韓国の都市と姉妹都市にした人物だったので、それもNさんを受け入れる上で良かったのかもしれません。しかし、一番はNさんの人柄が良かったのだと思います。

 現在は、日韓関係の状況が悪く、韓国に対してマイナスのイメージを持つ人もいるかもしれません。しかし、Nさんは日本人の奥さんがいらっしゃって、日本にも長年住んでいるので、そのようなことを気にすることもないですし比べることもありません。一緒に働く上では関係ないと思っています。

 韓国人だからよかったというよりも、韓国語だけでなくビジネス日本語も話せて、高いキャリアや能力を持っているからこそ採用してよかったと思っています。それは日本人でも同じ評価になると思います。

 

ーーでは、逆に困ったことなどはありますか?

大川社長:
  困ったことはあまりないんですが、可愛らしい日本語を使うなと感じることはあります。会話の中で外国人ならではの日本語を聞くとほっこりしますね。(例えば親父ギャグのことをおじさんギャグと言ったりなど)

  韓国の方は、はっきりと物事を言う人が多いらしいんですが、だからと言って話し合いの場で困ったこともないですね。韓国の文化にもあるのかもしれませんが、Nさんは気を遣ってくれる人でもあって、年功序列で社内の年長者をたててくれるんです。しかし、言うべきことははっきりと伝えてくれるので、お互いに言いたいことが伝わらないなどコミュニケーションに困るということは全くありません。

 

ーー採用に関する応募の経緯を教えてください。

N様:
  元々は宿泊業や百貨店など大手の会社に勤めていたのですが、あるとき病気をしたことをきっかけに「朝出勤して、夜帰る」という生活パターンから抜け出すことを決めたんです。そのスタートとして思い切って転職することを決めました。

  まずは、今も行っていることですが自営業としてインターネットショップを始めました。それから、残りの時間を有効に使うために自営業とは別にフレキシブルに働ける会社を探していたんです。自然と触れ合える仕事や、農業に興味があったので毎日求人情報を探していたのですがなかなか見つからず、それでも「今日はもしかしたら新しい求人が出ているかもしれない!」と期待を寄せて毎日同じページを見ては、求人情報を探していました。

  そんな時、弊社の鎌倉の宿泊施設の清掃の求人を偶然見つけたんです。よくよく調べてみると今後展開していく事業として農業に関する内容が掲載されていたんです。

今考えてみれば何かのご縁で巡り会えたのだと思っています。

ーー現在のN様の業務内容を教えていただけますか?

N様:
  現在は鎌倉にある宿泊施設で業務にあたっています。前職では宿泊業で勤務していましたのでホテルの経験を活かせるかなと思っています。また、宿泊施設だけではなく、農業関係の立ち上げの事業にも携わっています。

  最初にお話がありました、Tさんご夫妻が農業のことを踏まえてしっかりと土台を作ってくれているので、非常に働きやすい環境だなと思っています。

 

ーー外国籍社員の方から見た御社の魅力は何ですか。

N様:
  国籍など関係なく、誰でも活躍できる会社だと思います。
面接でも大川社長に話しましたが、外国人人材に興味を持って海外の国の流れにも興味を持っている会社です。周囲のことを気にせずに自分の魅力を発揮できる社内環境であることも魅力に感じます。

 

ーー外国籍社員の方が活躍するにあたって、何か工夫をした方が良いことなどはございますか。

N様:
  弊社に入社する方だけではなく、日本にいる外国籍みなさんの転職に関係する内容になるかと思いますが、一言で言うと外国人としてのデメリットや弱点をメリット化することが大切だと思っています。

  有名な言葉で「ローマではローマの人のような行動をしてください」という言葉があると思います。当然のことだと思いますが、日本で生活をするにあたって、日本語を駆使できる事はもちろん前提ですし、日本の文化を理解することも大事です。
  日本語が話せないと職場で活躍はできません。日本での生活が困難になりますし、生活自体が安定しないと、その結果職場での活躍は期待できないと思っています。なので自分と違う国ですが、その国の言語をしっかり勉強することです。国の文化ももちろん違うのでそれを理解することも大事です。私は韓国人ですが、韓国と日本は中国から来た文化なので似ている言葉や文化が多いんです。なので、私はすごく日本に馴染みやすかったと感じています。
  欧米から来た方は文化自体に差があるので、生活が困難になる方も多いと思います。その文化の差を理解して溶け込んで行くことが大事だと思います。

  しかし、逆に考えると言語と文化の差は大きな武器になるとも思っています。
何故なら日本人が話せない韓国語や欧米の英語やフランス語を喋れることもそうですし、日本人が経験したことのない自国の素晴らしい多くの文化を活かしていけば、日本人にはない大きくて強力な武器になります。是非それを活かしていければいいと思います。

N様写真_鎌倉にてお子様とツーショット

ーー外国籍社員の方が活躍するにあたって、企業側が気をつけた方が良いこと、しておけば良いことなどはございますか。

大川社長:
  イスラムの人はお祈りの時間があったりするので、大企業などではそれぞれの宗教・文化に合わせた働き方改革に取り組みをされていると聞きます。
  しかし、そういった宗教・文化以外のことでは逆にあまり意識をしなくてもいいかと思っています。文化の違い以外の言語の話はその人のスキルであるので、外国人だからと言う括りではなく、その人が秀でて持っている能力について意識を持つことが大事だと思っています。例えば、弊社では宿泊施設を運営しており、Nさんにもそこで勤務してもらっていますが、韓国人のお客様を対応するときにNさんに対応してもらうのは違うと思うんです。
お客様からしたらせっかく日本に来たので日本人に対応してもらいたい
と思っているかもしれない。そこでNさんにお客様の対応を依頼するのは差別にもつながることだと思います。つまり、配慮は必要であるけれども、行き過ぎると逆に差別になってしまうということです。

  フラットな職場であればNさんや他社員のお互いのアイデンティティを意識せず、こんな状況では誰が対応するのがべストなのかということをチームで決めるべきで、会社であればなおさらです。小さな会社であればチームで一丸となることは大事だなと思います。

  この国の出身の人だからこういう人間性だろう、じゃぁこの仕事が適任だろうしやってもらおうということではなく、出身国は関係なく、その人自身を見ることが大切だと感じます。
  正直な話、外国籍社員を受け入れて1ヶ月なので、まだまだわからないところも多いのですが、実際に私がNさんの立場だったら、そのように考えてもらった方が働きやすいと感じます。
  外国人だからと言ってそのような特別な対応を求められてもやりづらいでしょうし、自分の強みが活かせるようにしてもらった方が嬉しいのではないでしょうか。もっと日本人とコミュニケーションをとって国籍関係なくお互いの強みを出せるようにするといいと思います。

ーー日本ではまだまだ外国籍社員を受け入れ難い、不安だという企業様も多くありますが、すでに外国籍社員と働く御社から見てどのように感じますか?

N様:
  私が日本に来日して11年くらいになるんですが、その時よりも外国人の方は増えていると思います。しかし、外国籍の方を雇用するにあたって企業は言語の壁の心配であったり、雇用手続きが必要になるので、その業務の重さなどがあって受け入れ難いのだと思います。

  実際に私も今まで面接を受けた会社では「日本語は話せますか?」と聞かれることが多かったですし、昔勤めていた会社ではお客様の対応をしている際に「日本人に対応して欲しい」と言われることもありました。

  優秀な外国人は多く在日していると思いますし、その人が持っている能力や魅力は企業が抱えている不安要素よりも全然価値があると思います。外国人だから魅力があるということではなく、母国語と日本語が話せて、日本とは違う文化を経験していること、その先のメリットを考えて積極的に採用していくのが今の時代に合うのではないでしょうか。
  それは日本人が海外で働く際にも同じことが言えると思います。

 

大川社長:
  日本人だけでうまく運営できていて、日本のマーケットのみで事業をされている企業は無理に外国人を雇う必要はないと思います。しかし、当社のように今後、コロナが治まって「インバウンドが復活するだろう」と思っている企業はぜひ採用するべきだと思います。

  日本は少子高齢化が進み、労働力が全く足りていない状況です。
農業、建設、医療、介護など、どの業態でも人手が足りていないので、今後はますます外国人人材の需要が高まっていくことは明らかでしょう。

まだまだ外国人を受け入れる体制が整っていないことを考えると、いち早く外国人を受け入れて労働力を確保する、その仕組みを作れる経営者は先見の明があると私は思います。

  私はそのような仕組みに法って今回Nさんを採用したわけではなく、たまたまご縁があって採用しました。

  ただ、今後の流れとしては多言語を使いこなしてITリテラシーを持っている人というのは、国境を超えてさらに需要が高まると思います。
  鎖国をしていた日本から考えると大航海に出るような気持ちかもしれません。しかし、世界をターゲットに考えている企業には、外国人の労働力は必要でしょうし、成功するためにも世界の文化の知見があることも大切です。そのような意味でも外国のことを知っている人材(外国人人材)を採用するのがいいと思います。

ーー今後、貴社に入社したいと考えている外国人の方々に対して一言メッセージをいただけませんか?

N様:
  弊社は国籍関係なく活躍できる職場ですので、他の人にはない、あなたしか持っていない魅力を発揮しながら一緒に成長していければと思っています!!
ご応募をお待ちしています!

 

大川社長:
  最近色んなところでSDGsが取り上げられることが多く「持続可能な開発目標」とよく言われていると思います。成功したいとか、経済的に豊かになりたいと言う発想と対を成す考え方もありますが、経済的に豊かになったからこそ、持続可能な開発目標に目が向くんだと思います。

  ハングリー精神を持っているけれども、調和性を保てることがグローバルに活躍できる人材の必須要件だと思います。

  外国語を話せない私が言うのは違うかもしれませんが、国際的にも通用するという感覚を持っていないと、おそらくどこに行っても生きづらくなってしまっているので、そのような感覚を持ち、観光業や再生可能エネルギー、不動産にも興味を持っている方が来てくれると嬉しいです。

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