インタビュー

日本で活躍する外国籍社員、自国活躍までサポートを

今回は千葉で活躍される建設会社、株式会社大幹の小迫社長にお話をお伺いしました。
とても気さくで話しやすく、日本人社員だけでなく、外国籍社員の皆様からも慕われている社長様です。

驚いたのは外国籍社員に対する待遇の良さです。
日本という外国で不安な気持ちにならないよう、彼らの生活面など隅々まで配慮されており、自国に帰国した以前の社員の方々と現在でも連絡を取り合うほど深い信頼関係があるそうです。

海外ではまだまだ道路や住宅環境などが整っておらず、まだまだ住み慣れないところが多くあります。
そういった海外で、自社で学んだ知識を活かし、自国でのビジネスで活躍してもらえるよう将来的にサポートしていきたい!と熱い想いをお伺いしました。

今後、外国人の方を雇用していきたい企業様、外国籍社員とどのように向き合ったら良いのか迷っている企業様など、ぜひ多くの方に読んでいただきたいです。

【株式会社大幹様について】

当社が目指すのは、単なる規模の拡大ではなく、
社会に高い価値を提供できる「キラリと光る企業」
質の高い人材を武器に、現在の事業の周辺に潜む、
新たなビジネス・チャンスを着実に事業化していきます。
「当社にはできません」ではなく、
「どうすれば可能となるか」という発想で、
これからも事業の拡大・発展を続けていきます。

会社名  :株式会社大幹
本社所在地:千葉県千葉市若葉区御成台3丁目1168番地23
代表者  :代表取締役 小迫 尊光様
URL      :https://daikan55.co.jp/

 

――御社の事業内容について教えてください。

土木工事を主体にして、一部造園工事なども行っています。例えば、道路整備や橋脚の基礎作り、水道管の設置など建築以外のインフラ整備を幅広く手掛けております。

お客様としては、主には役所の方からのご依頼で業務を請け負うことが殆どですが、たまに、小売業の方からのご依頼で店舗先の駐車場工事、他にも工場の外構工事をさせていただくこともあります。

 

――外国人採用はいつ頃から始められましたか。また、外国籍社員の方は現在何名いらっしゃいますか。

外国人採用を始めたのは15年程前からです。現在はコロナ禍によりスムーズには進んでいませんが、積極的に外国人採用を行っており、千葉県の中でもかなり早い段階から行っていると思います。
採用初期に入社した社員は既に帰国し、母国で他の職に就いている方もいます。当時の社員たちとは今でも繋がりがあって、私が現地を訪れた際に直接会うこともありますよ。

在籍人数については現在、技能実習生が5~6名で、建設就労者が2~3名います。
採用初期はベトナム人から始まり、今ではカンボジア人やインドネシア人の方が在籍しています。
今度、技能実習生として働いていた社員が一時帰国を終えて再入国するので、就労者として呼び寄せる予定です。

 

お仕事風景①

 

――外国籍社員の人柄の特徴は、国による違いがあるものなのでしょうか。うまく生活できるよう工夫している点はありますか。

社員皆に個性がありますので、国によってひとまとめにはできませんが、あえて特徴を上げるとすると、カンボジア人は明るくて陽気で快活です。
また、インドネシア人はイスラム教の影響からか真面目な方が多い印象です。トラブルも少ないですね。
ベトナム人は初期の頃の採用でしたので、昔の話になりますが、途中で失踪してしまったり、警察のお世話になるトラブルが起きてしまうこともありました。しかし、時代が変わるにつれて制度も変わっているので、今はほとんどないと思います。
冒頭にも申し上げました通り、やはり個人によって異なりますので、ベトナム人でも真面目にきちんと勤め上げてくれた方ももちろんいます。

あとは生活に関してですが、例えば、イスラム教徒であれば豚肉が食べられないことや食器を分けなければいけないことなど、きちんと彼らの生活スタイルを尊重して、プライベートを確保すれば上手くいくと思ってやっています。
その成果が出ているのか、今のところトラブルは無いですね。

 

――初めて外国人採用を行う際、不安に感じられたことや既存社員からの反発などは無かったのでしょうか。

今から30年程前、ほとんどは不法就労者でしたが日本には外国人労働者がたくさんいました。
建設現場にも多くの外国人労働者が居て、私たちはそれを見ながら生活してきたので、外国人の方と一緒に働くことに対してあまり抵抗はありませんでした。
現在では、車を運転するなど資格が必要な作業はできませんが、その他の作業に関してはむしろ日本人よりも良く働いてくれますし、とても真面目で優秀な方が多いように感じます。

一方で困ったことと言えばやはり言葉の壁でしょうか。工事現場においては毎日作業内容が異なります。それを彼らは見様見真似で作業をしますが、してはいけないことや危ないことを注意しても上手く伝わらないことがあるため、不安に思うこともあります。

 


――その言葉の壁を乗り越えて、外国籍社員の方と上手くコミュニケーションを取るために行ったことはありますか。

現場での話ですが、外国人の比率を高めすぎると上手くいかないことが多かったんです。
そこで日本人の比率を高めた上で、バランスよく外国籍社員の方を配置しました。さらに、面倒見の良い日本人社員に彼らの指導係として一緒に仕事をしてもらうなど工夫をしました。
常にジェスチャーを交えながら会話をしたり、外国籍社員の方にもできるだけ日本語で話すように促し、テレビを見て笑えるようになってねと伝えていました。

半年から1年程日本での仕事を経験すると、日本語を話せなくても話の内容は理解できるようになってきます。さらに、私は彼らが入国する前に自作のテキストを送って、事前に勉強してもらうようにしています。

テキストは、現場で扱うハンマーやのこぎり、多種多様なスコップなどの写真を撮影し、その下にローマ字で日本語の読み方を書いた語彙ブックのようなものです。そのテキストの内容を入国までに覚えてくるように指示すると、本国の日本語学校の先生は徹底して彼らに教えてくれます。そうすれば、当社で扱う道具の名前に関しては先に覚えて来てくれるなど現地を巻き込んで行うこともあります。

 

――外国籍社員の方と一緒に働いていて、良かったと感じることはありますか。

彼らはとにかく真面目で、正当な待遇で対応すればとてもよく働いてくれることでしょうか。
たまにニュースにありますが、残業代未払い、不十分な休日日数、居住先や食事をする場所が清潔でなかったりなど、勤務先の労働環境、生活環境の整備が不十分だと、彼らもSNSなどでの横の繋がりがあるため、すぐに情報が広まってしまいます。
こういった環境面を整えていない企業は採用してもすぐに失敗してしまうのではないでしょうか。
弊社では、彼らのプライバシーをしっかり保護し正当な賃金を支払う。こういった環境整備をすれば、彼らは私たちのことを理解し、会社の良さにも気付いてくれます。

資格が必要のない業務内容では日本人に劣ることはないし、むしろ勝る部分もあります。
資格が必要な業務に関しては、車を運転できない、機械が運転できないなどがあると思います。
外国人が取得する資格に関して、日本政府がまだまだ対応できていない状態が原因で、それが日本の国力を削いでしまっていると感じています。

優秀な外国人にはどんどん試験を受けさせるべきであり、安全に作業ができ、知識がきちんと伴うのであれば、日本語の試験でなくても良いと思っています。英語や母国語などで試験を受けられるような資格取得環境や、先程お話しした労働環境整備に関して日本全体がもっと柔軟に対応できれば優秀な外国人がもっと活躍できる世の中になると思います。それが日本の国力にも繋がるでしょう。

 


――外国籍社員の方と一緒に働いていく上で、御社で何か工夫されていることはありますか。

「外国人だから」「日本人だから」というように区別して扱うのではなく、人として皆平等に見ています。社員に対しても、言葉が通じないだけで人として平等であり、相手を卑下するような見方は絶対にしてはいけないことを徹底して企業文化として伝えています。
また、それを会社のトップが大事にするかどうかも成功の鍵だと思います。

 お仕事風景②

――それでは、外国籍社員から見た御社の魅力はどんなところだと思われますか。

1つ目としては、まず賃金が高いことですね。また、毎月1万円ずつ積み立てていて、帰国の際にプレゼントしています。(例えば、3年在籍したら36万円)
他にこのようなことしている会社はないと思いますね。

2つ目としては当たり前のことですが、残業すれば割増賃金を支払いますし、休みが欲しければ彼らの意見を尊重します。住居も全員個室にしており、お風呂に関しても大浴場ではなく外国人だけが使えるシャワールームを完備しています。
また、宗教が関係してきますので、食堂も国ごとに分け、彼らが自炊できる環境も整えています。
そういった環境をしっかりと整備しているので魅力であると感じてくれているのではないでしょうか。

 

――外国籍社員の方が活躍するに当たって、企業側が気を付けておくべきことや実践すべきことがあれば教えていただけますか。

先程申し上げた通り、労働環境や生活環境を整えて、人間の尊厳を第一に守ることです。
彼らが何かを失敗したとしても、日本語が理解しきれないことで失敗していることもあるので、頭ごなしに叱るのではなく、しっかり教育をすることが大切です。

以前のことですが、外国籍社員の方に、当社で働いていて良かったことは何かと尋ねたことがあるのですが、「日本人は本当に親切です」と言っていました。このように言われたことは、本当に嬉しかったですね。

コロナ禍以前、私は採用した外国籍社員の方の母国の家まで行くことがありました。カンボジアのある村だったのですが、そこは道路の舗装もされておらず、家の中はと言うと床は土で、にわとりも一緒に居るような環境で、外では皆裸足で歩いている。
私がお邪魔すると、「初めてこの村に日本人が来た!」と言って子供たちが集まってきました。そんな村から、彼らは当社に働きに来ているんだと実感しました。

ひとつ驚いたことは、どんなに田舎であってもスマートフォンがあるんですよね。
だから、当社のホームページだって見られるし、情報はきちんと届いているんです。

そういった相手の国の文化や生活背景を理解して、彼らと向き合うことが大切だと思います。

 

――高度外国人人材については、どのようなきっかけで耳にしましたか。

新聞でも見たことがありましたし、以前からメディアでも聞いたことがありました。当社は外国人採用の実績もあるので、環境さえ整えれば大丈夫だろうと考えてトライしました。
しかし、建設業の場合、入管でのハードルが高いんです。なかなか許可が下りないので、最終的には私が労務士と一緒に入管に行って、どういう目的で採用し、どのような教育をするかについて資料を用いながら説明してやっと許可を得ることができました。

きちんと企業側が教育制度を整えながら採用計画をしていることをアピールする必要がありますね。

 

――御社の今後の展望を教えていただけますか。

まずは、高度外国人人材に日本で技術を学んでもらった後、将来的には彼らが本国でビジネスができるようになればと考えています。さらに、本国で新たな人材を集めてもらい、日本側に呼び寄せて教育をしながら技術を伝授する。
そのように、日本の技術力や良さを持ち帰ってもらい、日本品質でモノを作ることができれば、良いものを安く作れるようになります。たとえ、日本に永住できなくとも、日本から本国に帰った社員は、その技術力で高い給与を得られるはずですし、本国から優秀な人材を紹介してもらうことで人材確保が可能となり、日本で問題となっている人手不足を解消することができます。

このようなお互いハッピーな関係性が最も良いのではないかと感じています。せっかく日本まで来たのだから、日本で得たものをその後の人生で上手に使って、彼らには幸せになってもらいたいです。私が投資した分は勿論回収しますが、それ以上に利益を得ようとは思っていません。成功の輪を本国でさらに広げて欲しい、ただそれだけです。

 

――最後に、日本で働きたいと考えている外国人の方にメッセージをお願いします。

日本に目が向いたのであれば、単純労働で出稼ぎに来るという考え方ではなく、日本文化や技術を学び、それらを吸収して、その後の自分の人生に活かしてほしいです。
日本から帰った後に、自分の人生が豊かになるような選択をしていただきたいと思います。

 

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