外国人採用

外国人採用国別データ:ミャンマー人材編

人手不足の日本において、ミャンマー人材への注目が高まっています。実際にミャンマー人材を雇用している日本企業からの評価は高く、優しく真面目な性格で目上を敬う文化で育ったミャンマー人材は、教育水準も高く勤勉です。

この記事では現地で暮らす日本人ビジネスマンが、ミャンマーに関する地理や歴史、基本的な国別データとともに、ミャンマー人材の特徴と性格や教育事情、ミャンマーの有名大学情報などもご紹介します。

ミャンマーについての基本データ

ミャンマーの正式名称はミャンマー連邦共和国です。外務省ホームページ掲載にされたミャンマー連邦共和国の最新基本データは以下のようになっています。(2019年11月時点データ)

国名:ミャンマー連邦共和国(Republic of the Union of Myanmar)※1
面積:約68万平方キロメートル(日本の約1.8倍)
人口:5141万人(ミャンマー入国管理・人口省2014年9月発表)
首都:ネーピードー ※2
民族:ビルマ族(約70%)、その他135の民族(駐日ミャンマー連邦共和国大使館ホームページによれば、カチン、カヤ、カイン、チン、バマル、モン、ラカイン、シャンなど)
言語:ミャンマー語(国家公用語)※3
宗教:仏教(約90%)、キリスト教、イスラム教等

※1 1989年6月18日にミャンマー連邦共和国という国名に変更。旧国名はビルマ連邦。ミャンマーとは「強い国」を意味するミャンマー語。
※2 ネピドーとも記載
※3 ビルマ語ともいう

ミャンマーの主要産業と高い経済成長率

外務省のホームページによれば、ミャンマーの主要産業は農業、天然ガス、製造業であり、名目GDPは2018~19年度のIMF推計で約714億ドルとなっています。一人当たりGDPでみると約1326ドルと、日本と比較して30分の1程度(世界銀行による2018年度の統計より算出)ですが、その経済成長率は6.6%と非常に高く、物価上昇率も6.7%となっています。まさにこれからの発展が期待される国です。

ミャンマーの気候と地理

株式会社OneTerrace横山撮影 ミャンマーの田園風景

ミャンマーは日本の面積の2倍近い国土を持ち、北は中国、東側はラオスとタイ、西側はインド、バングラデシュと国境を接しています。国土が南北に長いため、気候や文化も多様です。モンスーン気候帯に属するため、ハリケーン被害に見舞われる年があります。

2006年にネーピードーに首都遷都しましたが、経済の中心は旧首都ヤンゴンです。ヤンゴンから680kmほど北に位置するバガンは11~13世紀に隆盛をきわめたバガン王朝の都であり、「世界仏教三大遺跡」に数えられる仏教遺跡があります。バガンの遺跡は2019年7月に世界文化遺産にも登録されました。

ミャンマー人材の特徴と性格

外務省発表によれば、日本にいるミャンマー人は2万4471人となっています(2018年6月末時点)。ミャンマー人材を実際に雇用する日本企業からの評価は高く、これから日本でも活躍していくことが予想されます。

株式会社OneTerraceの横山が、じっさいにミャンマーで暮らしてまとめた「ミャンマー人材の特徴と性格」は以下です。

仏教徒が多く、穏やかな気性の人が多い

長年ミャンマーで暮らした経験から言えるのは、ミャンマー人は真面目で穏やかな気質だということです。仏教徒が多いため目上の方を敬う文化があり、両親、年⾧者、僧侶、恩師などに丁寧に優しく接します。ミャンマーは治安が良く犯罪が少ないのは、「現世で功徳を積み悪い行いを避ける」という仏教の考え方が大きく関わっているかもしれません。

家族のようなコミュニケーションをしてくれる

ミャンマーでは他人とも家族のような温かいコミュニケーションをします。「おはようございます」「こんにちは」のように使われる挨拶に

タミン サーピービー ラ?(ごはん、食べた?)

というものがあります。ミャンマー人材と打ち解けたいときは、このあいさつをしてみましょう。とても喜んで話をしてくれます。

勤勉で素直な人が多く日本企業でも高評価

ミャンマー人は勉強好きで素直な人が多く、仕事で成長することを望んでいます。実際にミャンマー人材を雇用した日本企業でも「学習意欲が高いため日本語の習得に長けており、作業工程を覚えたり技術を身につけるのが早い」と高く評価されています。

エリートは熾烈な教育競争をしている

ミャンマーは歴史的にみても教育熱心な国であり、近年では国を挙げてIT教育にも力を入れています。あまり知られていませんが、ミャンマーでは小学校から落第や留年があり、高等教育を受けるためには熾烈な教育競争をくぐりぬけています。

英国領だった経緯から英語表記などにも抵抗がないといわれ、国内に少数民族が多数存在するため、多様な言語環境にも柔軟に対応します。

ミャンマーの学校制度や日本語教育事情

ミャンマーでは、近世から日本の「寺子屋」にあたる草の根教育が行われており、子供が学習することを大事に考える伝統があります。詳しく見ていきましょう。

(ミャンマーでは上写真のように女性や子供が白い泥のような「タナカ」を顔に塗っているのを見かけます。田中さんという人が開発したというわけではなく、樹木から抽出される伝統的な天然美容成分であり、ミャンマーの日差しから肌を守る生活の知恵といわれます。)

ミャンマーの学校制度は5-4-2の11年制

現在のミャンマー学校教育制度は、基礎教育と高等教育からなる11年制です。ミャンマーの教育機関はすべて公立であり、教育方針や教育課程などは教育省が決定します。

小学校は5年間(5~9歳)、中学校は4年間(10~13歳)、高等学校は2年間(14~15歳)です。小学生、中学生でも進級試験に合格しないと留年があります。日本と同じく3学期制を採用していますが、6月から新年度が始まり、3月に卒業します。高等学校は制度改革で近々3年間となる予定です。

高等教育機関には、短期大学、大学があります。高等教育以外に職業専門学校もあり、ミャンマーならではの特徴ある学校に仏教僧院付属学校があります。全国に1500校以上が設置され学費無料で困窮家庭の子供の教育を担っています。

日本のODAで多数の小中学校を建設

ミャンマーは小学校の初等教育に力を入れており、小学校の就学率は2014年に87%でしたが、ユネスコによる調査では2019年では98%まで上昇しています。小学校の数は1989年から2016年の17年間で44%増え、4万5千校以上あります。

ミャンマーの小学校建設には日本からのODAも利用されています。とくにアウンサンスーチー女史が政権に加わり民主化への道を踏み出した2016年には、洪水被害支援として多くの小中学校建設と道路整備が行われました。こういったODAはミャンマーの親日感情を高めています。

ミャンマーの識字率は公用語で約8割

公益社団法人ユネスコのサイトによれば、ミャンマーの15歳以上の成人識字率(小学校4年生程度の読み書き)は公用語のミャンマー語(ビルマ語ともいう)で76%です。135もの少数民族が暮らすミャンマーでは、ミャンマー語以外を母語とする人も多いため、公用語に限った識字率は少し低めとなっています。

ミャンマーでの日本語教育事情

ミャンマーの日本語教育については国際交流基金のホームページで2017年に発表されたデータ(2015年5月~2016年4月に調査)が最新情報となっています。このデータを見てみましょう。

ミャンマーの日本語教育機関

ミャンマーにある日本語教育機関は132機関あり、日本語教師は524人、学習者は約1万1300人となっています。

小学校と中学校での日本語教育は行われておらず、高等学校で日本語を学ぶ人が全体の学習者の6.7%、93.3%はその他の教育機関で学習しています。民間の日本語教育機関はミャンマー全国で約200校あります。

ミャンマーで日本語専攻課程があるのは、ヤンゴン外国語大学とマンダレー外国語大学です。日系企業への就職も多く、採用の際には注目したい大学です。選択科目として日本語教育を実施する大学もあります。

ミャンマーの日本語能力試験は1999年から

ミャンマーにおける日本語能力試験は1999年から実施されており、2015年からは7月にマンダレー、12月にヤンゴンと年2回実施されています。国際交流基金の調査によれば、「毎年1.5倍程度の伸びを見せている」ほど、応募者数は急増しているそうです。

背景には増えてきた日本企業への就職において日本語能力試験が重視されていることや、日本人のミャンマー旅行で喚起された観光業界での日本語需要があります。

ミャンマーの有名大学

ヤンゴン工科大学ホームページより抜粋

2020年現在ミャンマーには89の大学があり、ランキング上位にはIT教育を行う大学の躍進が目立ちます。

ここでは日本企業からの評価が高い大学を選りすぐってご紹介します。

Yangon Technological University
1924年創設のエンジニアリングに特化した理系名門大学です。コンピューターサイエンスやITはもちろん、建築学、土木学、電機電子工学、機械工学など、技術者の総合的教育を行っています。

University of Technology (Yatanarpon Cyber City, UTYCC)
ヤダナボンサイバーシティ工科大学は、2010年に設立されミャンマーのICT産業を担う人材を輩出している新進気鋭の工科大学です。ヤダナボンサイバーシティはミャンマーのICT産業が集積された3都市(ミャンマー ICT パーク、マンダレー ICTパーク、ヤダナボンサイバーシティ)の一つです。

University of Yangon
「知識は最良の友」をモットーとする、1878年創立の名門総合大学です。Yangon Universityと表記されることもあります。学部や大学院などの組織は大きく分けて3つあります(法学部/国際関係学/心理学などの「アート」、数学/科学/物理学/コンピューターサイエンスなどの「サイエンス」、そしてリサーチセンター)。2004年創設のコンピューターサイエンス学部においては、オンラインでも博士号および修士号が取得できるようになっています。

University of Computer Studies、 Yangon
IT教育に特化した、専門領域大学です。 ミャンマーコンピューター専門化協会(Myanmar Computer Professionals Association、 MCPA)との結びつきも強く、国を支えるIT技術者を輩出しています。

Yangon University of Foreign Languages
日本企業への就職者が多い外国語大学です。1964年に外国語専門学校として創設され、1996年に4年制大学となりました。ミャンマーに2つしかない日本語学科を有しており、外国からの留学生を受け入れている数少ない大学でもあります。

Yezin Agricultural University
ミャンマーの新首都ネーピードーにある名門農業大学です。1924年に創設されました。農業のさかんなミャンマーにおいて多くの農業技術者を輩出してきました。農業実習のため、キャンパスが各地に分散しています。

ミャンマーには総合大学だけでなく専門領域に特化した大学も多いため、ランキング上位校という理由だけではなく、自社が必要とする人材教育を行っている大学を見つけることが大切です。

ミャンマーと日本の交流史

ミャンマーと日本のつながりは戦前までさかのぼりますので、最後に少し歴史も見ておきましょう。

平和条約締結と経済協力は1954年

英国と日本による植民地支配を経験したミャンマーは、1948年1月4日に独立しました。1954年11月に日本はミャンマーと平和条約と賠償協定を締結、経済協力も始まりました。賠償協力案件には現在まで利用されている水力発電所などの大型インフラ開発プロジェクトも複数あります。

1962年から始まった社会主義経済の導入時も、日本は翌1963年に経済技術協力協定を結んでいます。しかしこの社会主義導入以降、経済は低迷。1987年に国連から後発開発途上国と認定されてしまいます。

軍事クーデターで両国関係はいったん冷え込む

国連からの途上国認定があった翌1988年にクーデターが起こり、軍事政権が発足しました。日本のODAなどの援助もこの時期に大幅縮小を余儀なくされました。軍事政権は社会主義政策を放棄し、市場経済に乗り出したものの上手くいかず、民主化を求める国際社会からは経済援助が滞りました。

2007年には生活に困窮した一般市民と仏教界が一丸となった反政府デモが起こり、政治体制が大きく変わることになります。

2011年の民主化で援助再開

2011年3月に民主化路線を目指すテイン・セイン政権が発足しました。日本が積極的な経済援助などでミャンマーとの関係をふたたび深めたのは、この2011年の改革以降のことです。

 日本のミャンマー援助方針の三本柱

  1. 国民の生活向上のための支援(少数民族や貧困層支援、農業開発、地域開発を含む)
  2. 経済・社会を支える人材の能力向上や制度の整備のための支援(民主化推進のための支援を含む)
  3. 持続的経済成長のために必要なインフラや制度の整備等の支援

2014年には投資協定も結び、援助にとどまらない、経済パートナーとしての関係も始まりました。現在のミャンマーの最大貿易相手国は輸出入ともに中国ですが、日本との貿易もタイやシンガポールと並ぶ総額となっており、これからが期待されています。

現在は独自路線の民主化を模索

2016年には民主化運動の象徴であるアウンサンスーチー女史が、大統領を補佐する国家最高顧問兼外相に就任しました。現在、ミャンマーは「民主化の定着、国民和解、経済発展」を掲げ経済開放を進めています。外資による投資歓迎や規制緩和の法整備により、魅力的な投資対象となりつつあります。

なお、現在のミャンマーの政治体制は大統領制および共和制であり、国会は二院制を採用していますが、上院下院ともに議員定数の4分の1を軍人代表議席とすることが憲法で定められているなど、日本とはかなり異なる部分もあるようです。民主化の進展と経済の発展のバランスが今後の課題といえます。

日本人にとって一緒に働きやすいミャンマー人材

日本に渡航して働く生徒達とOne Terraceの横山(ヤンゴン空港にて)日本に渡航して働く生徒達とOne Terraceの横山(ヤンゴン空港にて)

日本にいるミャンマー人材はまだ多くはありませんが、日本企業での評価の高まりを見ると、今後さらに増えていくことが予想されます。

ミャンマー人材と一緒に働いて感じるのは、彼らの性格の優しさや、日本との文化的な共通項の多さ(仏教文化、仕事に取り組むときの勤勉さ、向上心といった価値観)です。日本人にとって気心が知れ、一緒に働きやすい外国人材といえるかもしれません。

【ミャンマー人材採用のご相談はこちら】
hiroaki.yokoyama@oneterrace.jp(担当:横山)
03-3527-9841(株式会社OneTerrace東京本社)

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