就労ビザ(在留資格)

就労ビザ更新の必要書類と手続き、在留資格の変更はどうする?

「就労ビザ」とは、日本国内で就労ができる在留資格の通称です。在留資格ごとに日本に滞在していられる在留期間や、許される活動内容は異なります。この記事では在留期間更新申請や在留資格変更申請の必要書類と手続きについて申請取次行政書士がご説明します。

外国人を雇用する企業が、在留資格の更新や変更の手続きを外国人本人に任せきりにし、会社としてきちんと管理できていないのは、在留期限切れによる不法残留や、在留資格で許されていない業務への就労を助長しているとみなされる可能性があります。この記事を一読し、ぜひ外国人雇用時のリスク回避にお役立てください。

就労ビザの更新が必要となるのはどんなとき?

外国人の就労ビザ更新が必要となるのは以下のようなケースが考えられます。

  • 在留期間の満了で更新する場合→在留期間の更新
  • 従事する仕事の内容が変わった場合→在留資格の変更

日本に滞在する外国人は、付与された在留期間が満了する前に在留資格を更新しなくてはいけません。また、職務内容が変わったときは在留資格の範囲内で許される職務内容か確認し、許されない職務内容である場合は、他の在留資格への変更を検討する必要がありますが、実務上は在留資格変更が必要なまでの職務内容の変更は避けたほうが良いといえます。

なぜなら、各在留資格には変更を許可するための条件があり、その条件を満たすことが困難であるケースが多いからです。例として、タイ食材の輸入商社で雇用されている外国人Aさんを例に考えてみましょう。

タイ食材輸入商社で雇用されている外国人Aさんのケース

Aさんはタイ食材の輸入販売会社で働いています。同社は輸入食材を利用してタイ料理レストランチェーンも経営しています。

Aさんは採用された当初、本社の貿易事業部で事務作業や通訳翻訳、貿易事務に携わっていました。このため「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で働いていました。しかしあるとき、同社内で大きな異動があり、Aさんは外食事業部の調理担当として働くことをを命じられます。

就労ビザ(就労系の在留資格)は従事する業務内容ごとに定めらており、Aさんのように職務内容が変更された場合、在留資格も変更しなくてはなりません。調理担当の仕事は「技術・人文知識・国際業務」で許される業務内容ではなく、在留資格「技能」に該当する仕事です。

外国人Aさんはタイ料理の調理担当になれるのか?

では、実際問題としてAさんは「技術・人文知識・国際業務」から「技能」への在留資格の変更が可能か、という話になりますが、業務内容が変わったからといって在留資格は簡単に変更出来るものではありません。そもそも就労ビザ取得の前提となる基準(学歴であったり、実務経験10年であったり、国家資格であったり)は、在留資格ごとに大きく異なります。複数の就労系在留資格を満たせる履歴を持っている外国人というのは非常に少ないのです。

「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を得るには原則として大学等を卒業した学歴が必要になります。一方タイ料理人として「技能」の在留資格を得るには原則としてタイ料理人として10年以上の実務経験が必要となります。

通訳として採用されたAさんが大学卒業後にタイ料理のコックとして10年以上の実務経験がある可能性は低く、もし仮にそういう経歴を持っていたとしても、それを証明するための資料を収集するのはたいへんな手間となります。

「技術・人文知識・国際業務」の活動範囲を理解して活用を

Aさんのケースからわかるように、業務内容を変更する際の実務上の注意点は「現在所持している在留資格で許される活動の範囲を適正に理解して、その範囲内で業務内容の変更を留めること。在留資格変更を前提とした業務内容の変更を行わないこと」です。

企業が外国人を雇用するときによく利用される在留資格は「技術・人文知識・国際業務」です。許される活動の範囲が「大学等で学んだ学術的知識を要する業務」という漠然とした定義で規定されているため、この在留資格で従事できる仕事は比較的幅広いといえます。

このため「技術・人文知識・国際業務」で許される活動の範囲をよく理解して活用することは、在留資格変更を行うよりも重要です。

就労ビザ更新の手続きと必要書類について

ここからは就労ビザを更新するときの手続きや必要となる書類について法務省ホームページを中心に見ていきましょう。

在留期間更新許可申請とは

在留期間更新許可申請の手続対象者は、法務省ホームページによれば「現に有する在留資格の活動を継続しようとする外国人」とされています。在留期間の更新をする場合の申請期間は在留期間満了の約3か月前から期限が切れる前日までで、申請場所は地方出入国在留管理官局です(土日祝日を除く平日)。入院や長期出張等の特別な事情がある場合、3か月よりも前から申請を受け付けてもらえますので、管轄の地方出入国在留管理局へ問い合わせてみるとよいでしょう。

「就労ビザ(在留資格)更新のスケジュール」 「行政書士明るい総合法務事務所」監修により外国人採用ナビ編集部作成「就労ビザ(在留資格)更新のスケジュール」ー「行政書士明るい総合法務事務所」監修により外国人採用ナビ編集部作成

在留期間満了日までに申請手続きをすれば、持っている在留資格を維持しながら日本で在留を続けることも、海外へ出国して持っている在留資格で日本に戻ることもできます。この特例による在留期間は、審査結果の通知を受ける日か、在留期限から2カ月経過する日のうち、早い日までです。

在留期間更新許可申請必要書類

在留期間更新許可申請(技術・人文知識・国際業務)の必要書類は以下となります。

  • 在留期間更新許可申請書(技術・人文知識・国際業務)
  • 写真(縦4cm×横3cm)※申請前3か月以内に撮影された写真の裏面に申請人の氏名を記載し、申請書の写真欄に貼付します。
  • パスポート及び在留カードの提示
  • 就労先企業カテゴリーの区分に応じた提出書類(下図参照)

※法務省ウェブサイトに記載されている必要書類は、申請を受理するにあたっての必要最低限の書類となります。個別の事情に応じて追加書類が求められることがありますので注意してください。(過去の在留資格の許可を得た時と現在の所属機関や業務内容に変更がある場合など)

法務省ホームページ「日本での活動内容に応じた資料【在留期間更新許可申請】 >  「技術・人文知識・国際業務」より抜粋法務省ホームページ「日本での活動内容に応じた資料【在留期間更新許可申請】 >  「技術・人文知識・国際業務」より抜粋

就労ビザ変更の手続きと必要書類について

就労ビザを変更するときの手続きや、必要となる書類についても法務省ホームページから見ていきましょう。

在留資格変更許可申請とは

在留資格変更許可申請の手続対象者は「現に有する在留資格の変更を受けようとする外国人」とされています。申請期間は「在留資格の変更の事由が生じたときから在留期間の満了日以前」とされています。

外国人が日本で従事することを許可された仕事の内容は、在留資格ごとに決まっていますので、新たな仕事内容に従事しようとするとき必要となる書類です。

在留資格変更許可申請必要書類

在留資格変更許可申請(技術・人文知識・国際業務)の必要書類は以下となります。

  • 在留資格変更許可申請書技術・人文知識・国際業務)
  • 写真(縦4cm×横3cm)※申請前3か月以内に撮影された写真の裏面に申請人の氏名を記載し、申請書の写真欄に貼付します。
  • パスポート及び在留カードの提示
  • 就労先企業カテゴリーの区分に応じた提出書類(下図参照)

※法務省ウェブサイトに記載されている必要書類は、申請を受理するにあたっての必要最低限の書類となります。個別の事情に応じて追加書類が求められることがありますので注意してください。

法務省ホームページ「日本での活動内容に応じた資料【在留資格変更許可申請・在留資格取得許可申請】 技術・人文知識・国際業務」より抜粋法務省ホームページ「日本での活動内容に応じた資料【在留資格変更許可申請・在留資格取得許可申請】 技術・人文知識・国際業務」より抜粋

在留資格変更と就労資格証明書

就労資格証明書とは、ある外国人がどのような仕事に従事できるか記載された書類で、手続対象者は「就労することが認められている外国人」とされています。

外国人の転職などの際に取得されますが、あくまで補助的な申請書であり、取得には手間もかかります。どうしても取らないといけない証明書ではありません。「就労資格証明書を提示しないことにより、雇用の差別等の不利益な扱いをしてはならない」と入管法第19条の2第2項にも規定されています。

出入国在留管理庁のホームページ「就労資格証明書(入管法第19条の2)」

“就労資格証明書とは、我が国に在留する外国人からの申請に基づき、その者が行うことができる収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を法務大臣が証明する文書です。(中略)ただし、外国人が我が国で就労活動を行うことができるか否かは、在留資格の種類又は資格外活動許可の有無によって決定されるものであるため、就労資格証明書自体は外国人が就労活動を行うための許可書ではありませんし、これがなければ外国人が就労活動を行うことができないというものでもありません。

在留期間更新許可と在留資格変更許可の申請は誰がする?

在留期間更新許可申請、在留資格変更許可申請ともに、申請者として以下の3者が認められています。

  • 請人本人(日本に滞在している外国人本人)
  • 代理人、申請人本人の法定代理人※
  • 取次者

取次者は外国人本人からの依頼を受け、地方出入国在留管理局長に届け出た弁護士又は行政書士や、外国人が経営している企業の職員、または外国人が雇用されている企業の職員、外国人が研修又は教育を受けている機関の職員、技能実習の管理団体、外国人受入れを行う公益法人の職員などが行います。取次者が申請をする場合でも、パスポートや在留カードの提示(コピーではなく現物)が必要であるため、申請人本人となる外国人も日本に滞在していることが必要です。

※法定代理人については就労ビザの場面においては考慮する必要がありません(申請人が未成年の場合の親が想定されているため)。

失敗のない在留資格更新のために

ここまで見てきたように、在留期間更新申請には一人ひとりの外国人が付与された在留資格ごとの在留期間や活動内容をきちんと理解することが近道といえます。

外国人社員本人にまかせきりにせず、入管法の正しい知識を持つことに努めながら、必要に応じて就労ビザ管理システムを利用したり、申請取次経験の豊富な行政書士を依頼したりすることで、適正な在留資格更新ができます。

ABOUT ME
監修者プロフィール 長岡 由剛(ながおかよしたけ)
監修者プロフィール 長岡 由剛(ながおかよしたけ)
特定行政書士(行政に対する不服申し立て代理人権限をもつ行政書士)。行政書士明るい総合法務事務所代表。ビザや外国人関連法務を年間1,000件以上手掛ける。在東京タイ王国大使館(TNJ主催)、行政書士稲門会東京都行政書士会品川支部等でも講師をつとめる。タイ人を中心に、外国人が安心して暮らせるための支援を行っている。モットーは「外国の方にとって、日本がもう一つの故郷になりますように、プロの矜持と共に敬意を込めて」
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