外国人採用

外国人のよくある退職理由とは?離職率が高いって本当?

外国人のよくある退職理由には、日本人と同じような理由だけでなく、外国人ならではの事情や理由があります。この記事では外国人の退職理由を、日本人と同じような理由と、外国人ならではの理由に分けてご紹介します。

外国人雇用においては、採用する企業側も「外国人は採用してもすぐに辞めてしまう」という印象を持つ経営者や人事担当者は少なくないようです。「外国人はすぐに辞める」といわれるイメージは本当なのかも過去の離職率データから検証してみました。

外国人の退職理由と日本人の退職理由は違う?

外国人の退職理由は、日本人の退職理由と、どこが違うのでしょうか?まずは日本における主な退職理由を厚生労働省が発表した「平成30年雇用動向調査結果の概況」で確認しましょう。

日本における主な退職理由とは?

厚生労働省が発表した「平成30年雇用動向調査結果の概況」によれば、定年と契約期間の満了をのぞいた日本の労働市場における離職理由は以下のようになっています。

・男性の主な退職理由(定年と契約満了をのぞく)
1位:給料など収入が少なかった…10.2%
2位:労働時間、休日等の労働条件が悪かった…10.0%
3位:職場の人間関係が好ましくなかった…7.7%
4位:会社の将来が不安だった…7.6%
5位:会社都合…5.9%
6位:能力、個性、資格を活かせなかった…4.8%
7位:仕事の内容に興味を持てなかった…4.6%
8位:結婚、出産、介護など…1.6%

・女性の主な離職理由(定年と契約満了をのぞく)
1位:労働時間、休日等の労働条件が悪かった…13.4%
2位:職場の人間関係が好ましくなかった…11.8%
3位:給料など収入が少なかった…8.8%
4位:仕事の内容に興味を持てなかった…5.5%
5位:結婚、出産、介護など…5.1%
6位:会社都合…4.7%
7位:能力、個性、資格を活かせなかった…4.3%
8位:会社の将来が不安だった…4.0%

男性では「収入への不満」が離職理由1位、女性では「労働条件への不満」が離職理由1位となっています。しかし、離職理由は性別や年代だけでなく、雇用形態や産業、事業規模によっても大きく異なることがわかっています。

外国人も日本人と同じ理由で辞めている


外国人の退職理由にも、日本人と同じような退職理由はたくさんあります。

給与に不満があった

わざわざ外国まで来て働いているのに給与が低いとあれば転職したいと考えるのも当然といえます。中でも外国人の離職率が高い職場では、外国人と日本人で給与差が大きいといわれます。不公平感はその職場の魅力を半減させてしまいます。

職場の人間関係に悩んだ

日本人にも多い「職場の人間関係」は外国人の退職理由でも上位に入ります。これにくわえて、日本企業における上司と部下の関係性や、先輩、後輩といった序列は、日本独特であると感じる外国人は多いようです。日本独特の雇用慣行である「新卒一括採用」から生まれる、同期入社社員の「横のつながり」が人間関係の序列やグループ形成に大きく影響している企業などは、中途採用社員や外国人は仲間に入りづらいと感じてしまう可能性があります。

能力やスキルを活かせない

日本で就労する外国人は「日本で従事しようとする業務に必要な技術又は知識」が認められないと就労資格が得られません。このためプロフェッショナルとして自覚が高く、技術や知識を伸ばしていきたいと思っている外国人も多いことでしょう。しかし日本企業には伝統的にゼネラリストを養成する傾向があるため、専門性度外視のジョブローテーションも少なくありません。日本人社員の補助的役割ばかりを期待されることもあります。

労働時間、休日等の労働条件が悪かった

残業が当たり前とされている、有休を消化しづらいなどは、外国人から見れば明らかに悪い労働条件と感じられます。日本企業には就業時間外の懇親会や、休日でも義務として参加しなくてはいけないイベントもありますが、仕事とプライベートの線引きがはっきりした雇用文化を持つ国出身の外国人にとっては、これらも残業と感じられます。

外国人ならではの退職理由とは?

ここからは外国人ならではの退職理由を見ていきましょう。

ハイレベルな日本語でビジネスをするよう求められる

日本では、グローバル企業内でも100%日本語でのコミュニケーションが求められがちです。話す、読む、書く、すべてにおいて日本語が求められる場合、日本語ネイティブでない外国人には負担が大きいといえます。仕事の評価に日本語コミュニケーション能力が含まれる場合、日本語ネイティブである日本人社員以上の評価を得ることはほぼ不可能ですから、モチベーションも下がります。

「外国人」として扱われてしまう不満

日本企業では、日本人正社員同士でも、新卒採用グループと中途採用組で待遇やキャリアパスが異なるケースがあります。日本人とまったく同等の待遇、昇進やキャリアパスを求めていたのに、外国人であるために待遇差が埋められない、キャリアのトラックが違うと気づいた場合、その失望は大きいと思われます。

日本という社会に将来を託せない

外国で長期滞在して就労するとなれば、自分の将来を託すに値する魅力的な国や社会で働きたいと考えるでしょう。優秀な外国人には日本以外の国で働くという選択肢がありますので、日本という国や社会にあわない、または自分の将来が託せないと感じれば帰国してしまいます。

「外国人の離職率は高い」って本当?

ここまで外国人の退職理由を見てきましたが、日本企業側でも「外国人は雇ってもすぐに辞めてしまう」というイメージがあり、不安に感じる経営者や採用担当者は少なくないようです。そのイメージは本当なのでしょうか?外国人の離職率についても検証しましょう。

日本人の離職率の推移

外国人の離職率が高いかどうかを比較するために、まずは日本の労働市場全体の離職率を確認しましょう。

日本の新卒の離職率

厚生労働省の発表によると、日本の大学卒の就職後3年以内離職率は以下のように推移しています。

厚生労働省ホームページ 若年者雇用対策 新規学卒者の離職状況 離職状況に関する資料一覧より「学歴別就職後3年以内離職率の推移」グラフより抜粋

「就職後3年以内離職率」の最新データによれば、平成30年の3年前に就職した「平成28年度新卒」の就職後3年以内の離職率は、大卒で32.0%となっています。グラフを見るとわかるように、過去20年以上にわたり「就職後3年以内離職率」は30%台を推移しており、「最近の若者は3年で会社を辞めてしまう」といわれる状況がすでに過去20年以上続いていることがわかります。

日本全体の離職率

次に厚生労働省の発表した「平成 30 年雇用動向調査結果の概況」から、日本全体の離職率も確認しましょう。

厚生労働省ホームーページ「平成 30 年雇用動向調査結果の概況」

この平成30年の統計表によれば、「雇用期間の定めなし(正社員が多くふくまれる)」で働いている人の離職率は、男性8.6%、女性12.4%、男女平均では10.1%です。新卒大学生に比べれば離職率はかなり低いといえます。

外国人の離職率は本当に高いの?

厚生労働省による外国人の離職率データは、平成18年を最後に発表されていませんが、参考までに「外国人雇用状況報告(平成18年6月1日現在)」を見ると、外国人労働者離職率は全産業と全事業者規模で44.5%となっていました。(下の図版①)

厚生労働省ホームページ「外国人雇用状況報告(平成18年6月1日現在)の結果について」 集計表 表9より抜粋

同年の日本における離職率(常用雇用者)は全産業と全事業規模で16.2%でした。これだけを見ると外国人労働者の離職率は非常に高いといえますが、外国人が多く従事する産業は偏っており、正社員率も日本人と同じとはいえないので、単純に比較はできません。

「情報通信産業」に従事する外国人の離職率

同データから「情報通信業」(前出の図版②)だけを例にとって考えてみましょう。「情報通信業」には企業が積極的に雇用を進めていくと考えられる外国人IT技術者が含まれます。

平成18年度の就業数でいうと、情報通信業の従事者数は製造業の25分の1程度であり、雇用されるためのハードルも高く、正社員率も高かったグループです。平成18年の「情報通信業」の外国人離職率は20.1%(前出の図版②)です。

同年の日本における「情報通信業」全体の離職率は13.3%(下の図版)ですから、外国人の離職率は日本人よりも少し高めという結果となっています。当時と現在では外国人雇用をとりまく環境が大きく変わっているため、この数値を現在にそのまま当てはめることは出来ませんが、こうした過去の経験値から「外国人は離職率が高い」というイメージが形成された可能性は高いといえます。

厚生労働省ホームページ 「平成18年雇用動向調査結果の概況」 1結果の概要 労働移動の状況 (3)就業形態別労働移動の状況 表2産業別入職・離職状況より抜粋

外国人の離職率を下げるためには?

外国人の離職率を下げるために必要なのは、日々の生活やコミュニケーションをふくめた細やかなサポート体制や、わかりやすいマニュアル作成と指導スタイルを検討することです。日本人社員との大きな待遇差を設けないこともポイントです。評価制度が明確でわかりやすいことも離職率を下げるとされます。

優秀な外国人は日本以外でも就職できますので、企業での働き方を魅力的にしていくだけでなく、日本という国や社会をふくめた魅力を上手くコミュニケーションしていくことも求められているといえるでしょう。

日本語というハードルを下げることも大切です。日本人が何気なく使っている日本語習得の難しさをきちんと認識し、外国人にもわかりやすいように「やさしい日本語」を使う、英語などを使ったコミュニケーションも取り入れるなどの取り組みを始めている企業もあります。

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