製造業界では、人員不足が非常に深刻な問題となっています。
製造業界の人手不足に貢献できる方法の一つとして、外国人材を雇用する方法があります。
本記事では、製造業界における人員不足の背景から、実際に外国人を採用するとなった場合に関係する就労ビザまで、経済産業省のデータを引用しながらわかりやすく解説します。
製造業界で募集の背景
日本の製造産業は、国内産業のうち2割を占める重要な基幹産業です。
独立行政法人労働政策研究・研修機構「データブック国際労働比較2018」の就業者数に占める製造業比率の主要国比較によれば、主要国7カ国(日本、米国、英国、ドイツ、フランス、中国、韓国)のうち、日本が16.6%でトップを占めています。日本がいかに製造産業に重きを置いているかがお分かりになるでしょう。
また、財務省「法人企業統計」によれば、足元の製造業の売上動向について、データが公表されています。
該当のデータによれば、2020年前半において、新型コロナウイルス感染症の拡大によって売上高が急速に悪化したものの、2020年後半から回復。2021年第一期の売上高は96.8%で、100%を切っており、感染拡大前の水準には戻っていないことが明らかです。
過去にこのような記事を書いています。
日本の製造業の人手不足は、単に人数不足という雇用数の問題だけではなく、仕事をする上で必要なスキルを持っている人材がきちんと確保できるか、という質の問題でもあります。
製造業界では、国内の基幹産業だけに、専門的・技術的分野の技能を持った優秀な人材確保が求められているわけです。
製造業界で外国人を採用するワケ
労働者確保が最優先課題である
日本国内の製造業界は基幹産業でありながらも、深刻な人員不足になっていることは上記で述べてきました。
景気の変動を受けやすい国内の製造業界は、働く人の高齢化も進んでいます。これら現場で直面する課題から脱却するためにも、外国人材の確保が有力でしょう。
現場で十分やっていけるだけのスキルを備えた外国人雇用を、真剣に考えていかなければなりません。
日本人の職場環境が一新できる
外国人を雇用することで、社員のモチベーションアップや企業の業績アップが目指せる可能性があります。外国人材が現場に加わることで、新しい環境が誕生しますし、何より、外国人材に仕事を教えなければならないので、自然にコミュニケーションも増えます。
マニュアル化されたナレッジを言語を介して共通理解するために、仕事上における共通言語を決めておくことも必要でしょう。共通言語は日本語かもしれないし、英語かもしれません。あるいは、外国人材が日本に来て間もない場合、外国人材の母語でやりとりする必要があるかもしれません。
同僚とのやりとりが活発であれば、外国人材もいい環境で働けるでしょうし、現場の雰囲気がよければ、生産性も上がるはずです。製造業の現場はなんといっても工場内。毎日顔を合わせる人が他の業界に比べそう多くはありません。職場に新たな息吹を吹き込むことで人間関係が大きく変わるのであれば、製造業界で外国人材を採用する意味は大いにあります。
高度人材が働ける製造業の職種内容は?
製造業の職種内容にはどんな仕事内容が該当するのでしょうか。
本記事は高度人材に特化しておりますので、技術・人文知識・国際業務について触れます。
技術部門
技術部門は、理学、工学その他の自然科学の業務の分野に属します。
製造業における技術部門には、システムエンジニア、プログラマー、情報セキュリティ開発などがあります。
人文知識部門
人文知識部門は、法律学、経済学、社会学その他の人文科学の業務の分野に属します。
製造業における人文知識部門には、マーケティング、コンサルティング、営業、会計、商品開発、商品企画、経理、法務などがあります。
国際業務部門
国際業務部門は、知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務の分野に属します。
製造業における国際業務部門には、広報、通訳、翻訳などがあります。
製造業界で雇用する際の注意点は?
在留資格不保持は雇用できない
製造業といっても、関連する業務内容は複数あります。
外国人材雇用時に必ず確認しなければいけないのは、外国人本人が仕事内容の在留資格を保有しているかどうかです。在留資格を保有していないなら、もちろん雇用はできません。
万が一、在留資格を保有していないのを知っていた場合は、厳しい罪に問われます。不法就労外国人を雇用した事業主、不法就労となる外国人をあっせんした者等不法就労を助長した者は、入管法第73条の2により、3年以下の懲役又は300万以下の罰金に処せられます。
不法就労外国人発覚時の事業主責任については、こちらの記事をご覧ください。
まとめ
今回は製造業界における人員不足の背景から、高度人材が関連する仕事内容の部門、高度人材の雇用時における在留資格確認まで解説してきました。
在留資格に応じて外国人材が就ける仕事は決まっています。業務区分が異なる仕事にはもちろん就けませんし、仮に許可を受けず業務区分が異なる仕事をしていることが判明した場合には厳しく罰せられるので注意しましょう。
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