人口の減少によって日本では、若手人材を採用することが難しくなってきています。
さらにコロナ禍によってオンライン(面接など)が普及し、地方の学生が大企業へ就職することが以前よりも容易になり、優秀な人材は都心部へ集中しつつあります。
それによって地方の企業の多くは採用で苦戦し、戦力として留学生や、技能実習生を雇用しますが、3年〜5年で自国に帰ってしまうため、教えてきた技術を活かすことができず、再度お金と手間をかけて採用を繰り返すというような負のスパイラルに陥ってしまっています。
そして、社内の平均年齢は年々高くなり、人材不足と後継者不足に悩んでいるのです。
そんな中、コミヤマエレクトロン株式会社様は「高度外国人材」というビザを更新し続ければ定年まで働くことができ、さらに専門知識を持った優秀な外国籍人材を2名採用しました。
今回は2020年12月というコロナ禍で入社した外国籍人材スンさん、クエンさん(ベトナム出身)の活躍ぶり、企業としての対応や外国籍人材を採用したその後についてお伺いしました。
【コミヤマエレクトロン様について】
液晶テレビなどのフラットパネルディスプレー製造用の真空装置や真空関係機器などの製造を手がけています。
お客様のニーズに的確に応えられる製品をご提供するために、徹底した品質管理を実践しています。
会社名 :コミヤマエレクトロン株式会社
本社所在地 :山梨県南都留郡鳴沢村2278
代表者 :代表取締役 渡邊 明雄 様
URL :http://www.komiyamae.co.jp/index.html
ーー外国人の採用をするにあたって、不安や社員の抵抗などはなかったでしょうか?
今までは派遣で外国人採用をしていましたが、今回は社員での採用となるので、すべてにおいて日本人と同等に扱うように、という会社からの指示がありました。
そのような指針のもとで会社全体が動いています。
また、弊社にはすでにベトナム人社員が在籍しており、他にもフィリピン人や韓国人、中国人の社員がいるので、外国人に対する壁はないですね。
外国人を採用している理由としては人材不足という面が多いので、外国人であっても自分達の仕事を助けてもらっていると考えている社員が多いからかもしれません。
ものづくりの会社なので、同じ製造技術者として抵抗がないのではないでしょうか。
ーー以前と比べて彼らの日本語レベルはいかがですか?
面接時に比べると大分成長していると思います。
仕事の指示は理解した上でやっていますが、どうしても少し食い違いなどがある時は何度か確認しながら会話しています。
内定後に株式会社One Terraceのサービスであるオンライン日本語レッスンを受けてもらいましたが、頑張って学習したなぁと思うほど上達してきていると思います。
仕事で活かせる日本語能力向上に特化したオンラインの日本語授業の実施
個別レッスンのため、受講者にあったカリキュラムで日本語能力の向上を目指します
ーーコミュニケーションを取る際に職場の皆さんが工夫していることは?
すでに派遣で来ていたベトナム人社員の先輩(2年ほど勤務)が協力してくれています。
僕らとの会話でわからない時は、その先輩に聞きに行ったりしていて助かっています。
「これをやってください」というような単純な仕事の説明は伝わりますが、
技術職では新しい仕事が来た時の説明や原理など、難しいことになると伝えることが難しいです。
しかし、ベトナム人の先輩のフォローや指示出し役が根気よく説明してくれて、うまくやっています。
ーー2名を採用して会社が変化した点はありますか
良い変化としては、電気系技術者が少なかったところに1名増えたので、社員の負担が減ったことです。
難しく感じる点は、言葉の壁によってコミュニケーションをとっているつもりでも、
伝えたことがうまく伝わっておらず、結果として期待した行動ではないこともあります。
そこについては慣れるしかないですね。
スンさんの良いところはわからない言葉をインターネットで調べながら、日本語を一生懸命に理解しようとしています。
休み時間にも自らいろいろな人に声をかけて、コミュニケーションを取るようにしているようです。
一生懸命に学んだり、臆さずにコミュニケーションを取る彼らをみて、教える側も逆に学ばされていますね。
▲学ぶ姿勢がいいと期待されるスンさん
ーー教育担当の方が苦労されていること工夫していることはありますか?
クエンさんの場合、難しい計算などをする時に、日本語(漢字)が入ってくると理解が難しいようです。
しかし、彼は英語がある程度理解できるので、こちらが伝えたいことなどを英単語に翻訳して伝えるようにしています。
一度は「分かりました」と仕事を進めますが、分からないことなどは隣にいる日本人の先輩に積極的に質問しているようで、我々としても安心できますし教えがいがあります。
ーー目標の確認などはどのようにしていますか?
当社には毎年、業務の仕事とは別の面でミッションがあります。
会社の仕事は当然のことですが、それとは別のミッションをクリアすることができれば、自身の能力が自然と上がっていきます。
そうやって毎年ミッション(課題)を与えられ、成長の折には役職がついたりしていきます。
そのためにプライベートで勉強をしたり、スケジューリングが大切になってきますね。
ーー面接時に感じたスキルと入社後のスキルに違いを感じることは?
クエンさんは面接時より優秀だなと思っています。
解析の仕事などに興味があるらしく、空いた時間に自ら勉強しているので感心しています。
スンさんは人間性は思った通りでしたが、仕事については想定したよりも技術力に多少のギャップがありました。
本人もそれに気づいており、早く覚えたい、力をつけたい、求められている仕事をしたい、
という気持ちがあるのか日々の業務についてしっかりと目標を立てています。
進捗報告がうまくできないため、会社に置いてある書類を持ち帰ってよいかと聞いてくるなど学ぶ姿勢も見え、少しづつではありますが良くなってきています。
書類の整理なども徐々に早くなってきているようです。
▲解析に興味があるクエンさん
ーー今後の2人の活躍に期待することは?
採用した彼らからは母国で勉強してきた内容を活かしたい、という高いモチベーションを感じています。
クエンさんは、構想設計の仕事なので、仕様が固まっていない案件(新しい技術)が多い状況です。
ゆくゆくは日本人と変わらず、お客様と仕様決めから一緒になってやっていってほしいと思っています。
スンさんには、すぐにではなくても会社から与えられる目標やミッションを一歩一歩達成し、そのレべルをあげていき、最終的には私たちと同じように、さらに高度な仕事ができることを期待しています。
いずれにしても、クエンさんとスンさんには大変期待しています。
早く我々と同等のスキルを身につけて、会社に貢献してほしいですね。
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