はじめに
グローバル化がますます進行する現代社会。
国際競争力がますます高まる昨今の現代社会においては、海外の優秀な人材をいかに獲得するかが焦点となっています。
本シリーズでは「外国人数のTOP7国別の特徴や接し方と日本語指導方法」と題し、
日本に留学、永住、特定技能実習生として活躍する外国人材の国別の特徴や接し方と日本語指導方法をご紹介していきます。
第一回目は「中国人材編」です。
目次
はじめに
①中国人から聞いた中国人の特徴や考え方
1-1 中国人はとにかくストレートに話す
1-2 中国人はお世辞を言わない
1-3 中国人は周りの目を気にしない
1-4 中国人は距離感が近い
②中国人に日本語を教える上での有効的な方法
2-1 ひらがなカタカナをディクテーションする
2-2 漢字の音訓読みを文中で音読する
2-3 日本語アクセントを山の発音で練習する
2-4 動詞や形容詞の活用をパターンプラクティスする
まとめ
①中国人から聞いた中国人の特徴や考え方
1-1 中国人はとにかくストレートに話す
中国人は誰に対してもストレートに話をします。お互いの意見をハッキリ伝えることを大切にしているので、会話は常に直接的な言い方で展開していきます。ですので、日本人のように言葉をオブラートに包みながら話す習慣はありません。
例えば、相手から「これ要りますか?」と聞かれて必要でない場合、日本人と中国人の間では言い方が異なります。
日本人の答え方 「ううん、大丈夫です」←要らないことを間接的に伝える
中国人答え方 「要りません」←要らないことを直接的に伝える
日本人なら、よほど親しい間柄ではない限り、このような言い方をあまりしませんよね。
一方で中国人はYes/Noをハッキリことばで伝えてきます。
ポイント:中国人はとにかくストレートに話す人々だという事実を受け入れましょう
1-2 中国人はお世辞を言わない
中国人はとにかくストレートに話す人々なので、日本人のようにお世辞を言いません。
日本人は、お互いが気持ちよく話を進められるように、会話の潤滑油としてお世辞を言うことがありますよね。
一方で、中国人にその感覚はないのです。
中国人は胸の内で思っていることをそのまま言葉で伝えてきます。
相手に対して良く思っていることもそうではないことも隠さずに話してくれるはずです。
ですので、中国人に褒められた場合は、相手が本心から言っていることになりますから素直に喜んで大丈夫です。
ポイント:中国人はお世辞を言わない人々なのだと理解しましょう
1-3 中国人は周りの目を気にしない
中国人は概して周りの目を気にしない人が多いです。
日本人ほど相手からどう見られていて、どう思われているのかを意識しません。
ある意味、自己主張が強いと言えますが、これは自分は自分で相手は相手という「個性」を大切にする文化が根付いているからです。
周りの目を気にしないとなれば、中国人が声が大きいのも頷けます。反対に、声が小さいと
自分の意見がなく自信がない人と思われてしまうのです。
中国人とやりとりをする場合は、中国人に負けじと大きな声で話すことをオススメします。
ポイント:中国人は周りの目を気にせず大きな声で話す人々なのだと理解しましょう
1-4 中国人は距離感が近い
中国人は日本人と比べて物理的にも心理的にも距離感が近い人が多いです。
中国人はフレンドリーな人が多いと理解してください。
日本人は「親しき中にも礼儀あり」で、どんなに親しい関係であっても守るべき礼儀はわきまえるよう教育を受けてきます。
対する中国人にこの感覚はなく、逆に限りなく双方間の距離を近づけてこようとします。
ですから中国人と打ち解けるまで、おそらくそれほど時間はかからないでしょう。
ポイント:中国人は距離感が近い人々が多いと理解しましょう
②中国人に日本語を教える上での有効的な方法
2-1 ひらがなカタカナをディクテーションする
日本語にはひらがな、カタカナ、漢字、三つの表記があります。
中国人学習者は、ひらがなについては難なくクリアできますが、問題はカタカナです。
これは同音異字によります。ひらがなとカタカナは発音は同じでも、表記方法が異なるため、学習者はカタカナのほうをより難しく感じる傾向にあります。表記上のミスも、ひらがなよりカタカナのほうが多いです。
中国人学習者が表記上のミスを少しでも減らすために有効な方法はディクテーションです。
ディクテーションは音の書き取り、話し手の言葉を文字化する練習です。
最初のうちは、単語レベルで音を聞き書き取りをさせます。
その際に、ひらがな表記とカタカナ表記両方を書かせましょう。慣れてきたら、文レベルで練習させるのもよいでしょう。
2-2 漢字の音訓読みを文中で音読する
漢字圏である中国人話者は、非漢字圏の人々に比べて、日本語習得が圧倒的有利だと言われています。
しかしながら、日本語漢字を中国語漢字の意味にそのまま置き換えられるわけではありません。ビジネス上で使われる単語をいくつか紹介します。
- 算数:約束を守る
- 告訴:教える、伝える
- 水平:レベル
さらに学習者にとって問題となるが、日本語の漢字読みの多さです。
中国語は漢字一文字に対して一つの読み方しかないのに対し、日本語は音読みと訓読みの二つがあります。たとえば、食物と食べ物です。
- 食物:ショクモツ(音読み)
- 食べ物:たべもの(訓読み)
中国人学習者が日本語漢字の音訓読みに慣れるようにするために有効的な方法は文レベルの音読です。
文中での音読は、単語が読めるようになるのはもちろんのこと、前後の文脈から単語の読みも類推できるようになるので非常に有効です。中国人学習者が音訓読みに慣れてきたら、単語の正確な発音を体得させましょう。
2-3 日本語アクセントを山の発音で練習する
中国語は四声(しせい)の言語です。発音の仕方によっては意味が大きく異なってしまうため、中国語の場合、とりわけ一語一語の発音が重要になってきます。
対する日本語は四声を持たない代わりに、山の発音の高低アクセントです。
- 雨 アメ(高低)
- 飴 アメ(低高)
日本語の高低アクセントの発音ができるようになるためには、ジェスチャーを用いる方法が有効です。
四声の感覚が既に身についている中国人は、教師が示す高低ジェスチャーを見ただけで、発音が瞬時に上手くなります。
山の発音高低ジェスチャーはとても有効な方法なので、ぜひ試してみてください。
2-4 動詞や形容詞の語尾活用をパターンプラクティスする
中国語には、動詞や形容詞の語尾変化がありません。
対する日本語は、肯定、否定、時制に応じた語尾変化があります。
- その仕事は難しい
- その仕事は難しくない
- その仕事は難しかった
- その仕事は難しくなかった
中国語学習者にとって難しいのは、「難しかった」「難しくなかった」などの
肯定否定と時制が混じる表現です。
日本語の語尾活用ができるようになるためには、パターンプラクティスが有効です。パターンプラクティスとは、簡単に言うと、基本文例をもとに一定の型に慣れるための文型練習です。
外国語習得においては有効的な手法ですので、ぜひ試してみてください。
まとめ
本日は、中国人材への接し方と中国人の日本語指導方法についてお話しました。
中国人から聞いた中国人の特徴や考え方は?
- 中国人はとにかくストレートに話す人が多い
- 中国人はお世辞を言わない人が多い
- 中国人は周りの目を気にしない人が多い
- 中国人は距離感が近い人が多い
中国人に日本語を教える上での有効的な方法は?
- ひらがなカタカナをディクテーションする
- 漢字の音訓読みを文中で音読する
- 日本語発音を山の発音で練習する
- 動詞や形容詞の語尾活用をパターンプラクティスする
雇用主と中国人材雇用者が円滑に仕事をしていけることが何より大切です。
上手にコミュニケーションを取り合いながら、日々の業務を進めていきましょう!
初めての外国人採用、外国人雇い入れ時に読む冊子シリーズ、人事向けビジネス英語フレーズなどのお役立ち資料をご自由にダウンロードいただけます。
資料についてのご質問はお問い合わせぺージよりご連絡ください。