中峯総合法律事務所
顧問弁護士:中峯 将文
所在地:〒580-0032 大阪府松原市天美東1-80-22
TEL:072-247-5634
URL:https://nakaminelegal.jimdofree.com/
企業・個人・外国人向けに幅広くご相談いただけます。
密に、あなたの傍で、身内のようなお付き合いが出来る法律事務所です。
―――はじめに、ご担当されている業務内容について教えてください。
大きく分けて三つあります。まず一つ目は、企業に違法労働を強いられている技能実習生や特定技能外国人その他の外国人への法的なサポートを行っております。二つ目は、監理団体、登録支援機関の顧問業務です。監理団体では組合を設立する段階から関わり、その後顧問となってから外務監査人としても活動をしております。三つ目として最近多くなってきているのが、日本に経営者として来られる外国人の方の顧問業務です。監理団体における顧問業務の具体的な内容については、技能実習法、入管法、労働法の観点からのコンプラインアンス面でのサポートです。法的見地から、企業の法務担当者からの質問に答えながら企業が意思決定する際の参考とするといった内容です。経営する外国人の方の顧問業務の内容としては、主にベトナム人の方が多いのですが、「こんな店を出したい」「こんなトラブルについてはどうすれば良いか」などの相談に応じ、彼らが日本で健全かつ継続的に事業活動ができるようサポートしております。彼らの経営内容としては、主に飲食店、カラオケ、人材関係が多く、貿易関係が少しある程度で、これら四つのパターンが多いです。
―――それでは、外国人領域に関わり始めた背景やきっかけを教えていただけますか。
元々は、所属する事務所が国籍関係なく労働者側の事件を担当する所だったんです。一方で、事務所のボスである弁護士が日本ベトナム友好協会大阪府連合会の会長をしておりました。当時、世間では外国人の技能実習制度が始まり、様々な問題が起き始め、それが取り沙汰されるようになっており、そんな中、私に外国人の権利関係について講演して欲しいとの依頼があったのです。その公演をきっかけに、私も日本ベトナム友好協会とお付き合いをするようになりました。また、主に外国人の労働関係を扱う弁護士の研究会というものがありまして、私はそこに所属していたので、徐々に外国人領域に関わりが深くなっていきました。
その頃は、主に技能実習制度の法律問題を勉強する機会が多かったのですが、一般的な在留資格の許可とは異なり、何か問題があった後の在留資格の許可というのはとても複雑です。故に、さらなる勉強が必要となり、入管法と労働法に詳しくなった結果、それらに関連した問題での紹介が増加するようになりました。
一方で、当時の監理団体は杜撰なところが多く、その状況を目の当たりにし、(技能実習生の権利保護を真の目的とした)監理団体を自分で組合を作ってしまおうと思ったんです。私の兄が社労士でしたので友人も含めて組合を作りましたが、皆本業がありましたので思ったように進めることができず、そんな状況で監理業務を遂行するには無理があると考え、支援に回るようになりました。
―――中には杜撰な監理団体もあるということでしたが、正しく十分な業務を遂行している監理団体を見分けるポイントはありますか。
ひとつは内部で外国人の方を常勤で雇っているかどうか、もうひとつはどのくらいの会社を監理しているかです。というのも、監理する会社が多過ぎる団体は業務が十分に行われていない可能性があります。正しく十分な業務遂行している監理団体は、受け持っているとしても何十社です。勿論、会社数とそれを監理する監理者の割合によると思いますが、一人当たりの監理対象が多過ぎては杜撰になりかねません。
―――それでは、十分な監理を行えていない監理団体に対してアドバイスをいただけますか。
まずは、自分たちだけでは監理を正確に、確実に行うことは難しいということをしっかり理解し、受け入れることが重要です。多くの監理団体は事業協同組合であり、本業を他に抱えた事業者の集まりであって、法律のスペシャリストではありません。したがって、労働法や入管法を完全に理解することは至難の業であり、正確かつ確実な監理を行うことは大変難しいことです。まずは、それを自覚することが必要です。監理を行うために専門家をきちんと配置し、不明点は適宜専門家に確認をする。そして、チェックリストを作りながらマニュアル化し、それに沿う形で進めて行く他ないと私は考えています。
また、本来、監理団体は会社をお客様扱いするべきではない、ということをお伝えしたいです。会社から報酬をもらう立場ではありますが、「外国人材を受け入れてくれませんか」というスタンスで決してあってはならないと考えます。会社を監督するからこそ、それに見合う対価をいただくのが本来であり、御用聞きのための対価ではありません。監理団体は、監理費は会社ができない監理を自分たちが代わりにしてあげるための対価であると、始めに説明する義務があります。そこのパワーバランスが逆転してしまうと本末転倒。監理団体は会社を監督し、実習生を保護する立場であるべきです。
―――それでは、外国人採用に踏み切れない企業様に対して、一歩踏み出すためのポイントやメッセージをお願いします。
外国人を採用することを恐れる必要はありません。外国人を受け入れる際の法律問題は日本人と一緒です。しいて言えば、在留資格によってできる仕事は限られますので、その点での見極めは必要ですが労働環境の点で言うと日本人の扱いと大差ありません。もし、外国人雇用が上手くできていないとすると、それは日本人に対しても上手くできていないはずです。日本人に対しても上手くできていなかったところが、外国人だとクローズアップされているだけなのです。したがって法的には特に大差はないため、あとは文化の問題になります。確かに“文化の違い”や“考え方の違い”はあり、お互いに学び、理解をし合うことが大切国人材は必要となるでしょう。今、異文化を受け入れることは必須なのだろうと感じます。ですので、法律問題の観点で言うと、専門家をしっかり付けておくことでトラブルにも柔軟に対応、解決ができるため恐れる必要はありませんし、会社の成長観点で言うと外国人採用はプラスにしかならないと思います。
一方で採用時に企業側の意識として気を付けておきたいのが、採用する外国人材に何をどこまで求めるかです。採用の考え方も日本人と一緒なのです。外国人だからと言って、彼らは決してスーパーマンではありません。外国人材に過度な期待をすることなく、日本人採用時の視点と同じように判断をすべきです。待遇に関しても同じことが言えます。外国人材はすぐに転職してしまうのではないかというのは勝手なイメージであって、会社として転職されてしまわないような、正しい待遇をできているかについて自分たちを見直すことも必要だと私は思います。
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